リシン吹き壁へのお店のロゴ手描き製作の写真をご紹介
看板屋の仕事というのは、実に様々な壁面と向き合うものでございます。上記の写真は、あるお店のロゴをビルの2階の外壁に手描きで描かせていただいた時の写真です。
その壁というのが、リシン吹き付け仕上げ…つまり、表面が細かい凹凸があるザラザラとした状態でした。もちろん、当時は全てが筆による手作業です。平滑な面ならまだしも、この凹凸のある壁に、お店の顔となるロゴを美しく、そしてくっきりと描くというのは、なかなか骨の折れる作業でした。
塗料が均一にのりにくく、筆先が壁の粒子に引っかかる。一本の線を引くにも、普段以上の集中力と技術が求められました。まさに、壁の質感との根気比べのようなもので、非常に慎重に作業したことを思い出します。
しかし、そうして苦労して仕上げたロゴが、陽の光を浴びてお店の目印として輝き、お客様を呼び込む一助となるのを見ると、それまでの苦労も吹き飛ぶような喜びを感じたものです。ザラザラした壁の質感と手描きのロゴが、かえって独特の風合いを醸し出していたかもしれません。